アライナー矯正治療は着脱可能で、目立たない、医療用熱可塑性樹脂で作製されたアライナー矯正システムです。歯科医師の診断で3次元治療計画ソフトウェアと組み合わせることにより、望まれる歯の移動方法を示す治療計画が策定されます。治療計画が歯科医師によって承認された後、それぞれの患者様の治療内容に即したアライナーの製造が開始されます。
アライナー(マウスピース型)矯正装置はワイヤー矯正装置に比べ、見た目に良い矯正装置で、近年、従来のアライナー矯正より症例範囲が増えてきました。しかし、歯並びの平行性が悪いと外しにくく、中断してしまう等もあり、全てが計画通りにはいかないことがあります。
症例により歯の移動には限界が有り(歯根の状態や傾斜等)が思うように進まない場合は、ワイヤ-矯正に変更する等リカバリーが必要な場合があります。矯正後には後戻りを予防するため保定装置を必ず使用しましょう。
矯正を始める前にお知りになっておくべき事項①
・マウスピース矯正装置の使用時間は1日22時間以上とされています。
・歯列や歯の形態調整のため、個々の歯を削合調整します。
・歯の表面に接着剤で装置を付けますので、除去時には傷が出る場合があります。
・まれに歯が癒着を起こしていると動かない事があります。
・移動距離が大きいと、歯根の吸収等が起こる場合があります。
・上顎前突、反対咬合、正中顎偏位等に使用する上下顎にかける顎間ゴムは、食事する際は外していただきます。また、正中に装着する場合等は見た目に良くない場合や顎関節に負担がかかる場合があります。
・歯の平行性が悪い場合、無理にマウスピース型矯正装置を外す際や大きな距離を移動する際に、歯の中で充血が起こる場合があります。
・当歯科・矯正歯科クリニックでは国内マウスピース矯正作製技工所と提携しています。
・当歯科・矯正歯科クリニックでは、他の矯正歯科医院様同様、医薬品医療機器等法(薬機法)において承認されていない海外の医療機器を用いた治療「カスタムメイド・マウスピース型矯正装置」も使用しています。
日本で『医療機器としての矯正装置』と認められるものは
1) 薬事承認されている材料を使って
2)日本の国家試験に合格した歯科医師か歯科技工士が製作したもの
3) 既製品であればそのものが薬事承認されていなければなりません。
イ)、未承認医薬品等であることの明示:
海外のマウスピース矯正システムは薬機法上の承認を得ていません。
ロ)、入手経路等の明示:
1)国内社の製品は、国内歯科医師、歯科技工士により作製され、提供されています。
2)海外社の製品スマーティは、中国に本社があり20年の歴史で、世界52カ国以上で使用されています。製品は中国スマーティ本社を通じて利用しています。
ハ)、国内の承認医薬品等の有無の明示:
・マウスピース矯正のための治療装置は、国内でも様々なブランドがあり、国内歯科技工士により多数製作されています。国内装置も実績が多数紹介された装置です。
・スマーティによる矯正治療は、現在世界中で行われており、一般的にはアライナー矯正、マウスピース矯正などと呼ばれています。 製作過程については、日本国内で当院歯科医師が患者さんに合わせてオーダーしたものを、中国にある工場においてロボットで製作します。
設計は日本国内で歯科医師と中国の矯正歯科医師の両方で行いますが、実際に製作されるのは海外においてであり(日本の国家資格を持つ歯科医師や歯科技工士ではない)ロボットにより製作されますので薬機法の対象とはなりません(薬機法対象外)。
日本国内で製作される類似のマウスピース矯正装置のいくつかは薬事承認されております。
ニ)、諸外国における安全性等に係る情報の明示:
マウスピース矯正を行うためのスマーティシステムは830の特許があり、世界で76000名以上の歯科医師と提携しています。
スマーティは中国最大シェアで、2024年現在で全世界にて6000万症例以上が治療されています。
スマーティシステムは、薬機法の承認を受けておりませんので医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。当院では抜歯症例や中難度症例では、ワイヤー矯正などで最初に難しいところを行う等、工夫を凝らしたプログラムで行っております。
4)治療効果の明示
マウスピース矯正法だけでは、時間がかかったり、難しい場合があります。別な技術と合せる方法などがあります。マウスピース型矯正装置は、症例により、歯の移動に限界があり、歯並びが簡単な凸凹デコボコのような矯正向きです。材質や診断能力が増し、症例の幅が広がっていますが、臼歯の前側方運動調整に時間がかかる場合があります。
矯正を始める前にお知りになっておくべき事項②
未承認医薬品、医療機器等の明示
①未承認医薬品等であること
使用するセルフライゲーションブラケット装置は医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認医薬品です。
②入手経路
セルフライゲーションブラケット装置は松風、オームコ、エンビスタジャパン等の株式会社を介して入手しています。
③諸外国における安全性に係る情報
セルフライゲーションブラケット装置に関する諸外国における安全性に係る情報は現在ありません。
④国内医薬品副作用被害救済制度の対象外と治療効果の明示
セルフライゲーションブラケット装置は日本では完成物薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。国内、海外研究論文により、低抵抗のこの装置は、他の装置に比べ、歯列弓の拡大や治療期間の短縮には一定の評価を受けています。